ドロップスクリーン検査
ドロップスクリーン検査は、わずかな血液で41項目ものアレルゲンを一度に調べられる新しい検査です。
従来のように何度も採血する必要がなく、お子さんや注射が苦手な方にも優しい方法として注目されています。短時間で結果がわかるため、原因を特定しやすく、適切な治療や生活改善に早くつなげられるのも大きな利点です。こうした手軽さと高い精度が評価され、テレビや雑誌など多くのメディアでも紹介されました。
血液検査 | お子さまと成人の方は血液数滴で実施できるドロップスクリーンを使ったアレルギー検査を実施できます。当院では年齢制限なく検査が可能です。 |
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経口食物負荷試験 | 当院は厚生労働省の定める施設基準を満たした負荷検査実施医療施設です。 |
皮膚テスト | |
呼吸機能検査と呼気NO検査 | アレルギーによる気道の炎症を数値化する機械です。 |
鼻汁好酸球 | 鼻汁がアレルギー反応によるものか、炎症によるものかを鑑別する簡易な検査です。鼻が噛める年齢になると検査可能となります。検査に痛みなどは伴いません。 |
当院は厚生省が定めた認定基準を満たした負荷検査実施医療機関です。
負荷試験の目的はいくつかありますが、代表的なものとして
などがあげられます。
経口負荷試験は、食物アレルギーの診断や治療の欠かせない検査となっています。
モニターの装着、定期的なバイタル測定などを実施し、できる限り安全性には考慮しますが、原因食品の摂取をするため、上記で示したアレルギー症状が出現する可能性はあります。
気管支拡張剤吸入や抗ヒスタミン内服、ステロイド点滴などの適切な処置を行います。症状がしっかり落ち着くまでは経過観察しますので安心してください。
万が一、治療を行っても、症状が改善しない場合には、連携する専門施設へ紹介となることがあります。
負荷試験の持ち物や注意点などに関しては、受診いただいた際に説明致します。
食物アレルギーの治療に大切なことは正確な診断と必要最低限の除去です。
当院ではこれらを考慮しながら、日常生活や集団生活で不便や負担なく過ごしていけるようになること、摂取可能な寛解という状態となることをゴールに精一杯サポートします。
なお、未治療および寛解まで至っていない治療中である場合には、保育園や幼稚園などの集団生活では、安全性を第一に考慮し、食物アレルギーが疑われる食品についてはすべて除去とします。
食物アレルギーの治療については、お子さまによって方針がちがってくることが多くあります。離乳食期に症状を認めて、検査で陽性となり、食物アレルギーと診断された場合には1歳を過ぎるまで除去していくのか、それよりも前に少しずつ摂取をしていくのか、保護者の方に自然寛解の説明やメリットやデメリットを説明しながら、治療の方針を決めていきます。また3、4歳を過ぎても除去を継続している場合には、血液検査、負荷試験と実施し安全に摂取できる量を確認した後に自宅で摂取継続する治療を実施します、この場合には自宅での症状出現には十分に考慮した準備をします。
食物アレルギーのために長く原因食品の完全除去を継続していた場合は、なんでも気にせず摂取できる状態までにすることが難しいことがあります。保護者や本人とよく話し合い、極少量、少量の摂取まではすすめていき、食べられる加工品が少しでも増えることを目標とする場合もあります。
お子さまによって、さまざまなパターンがあるため、どの方針で治療をすすめていくことが良いのかについては、しっかりと保護者とビジョンを共有して治療に臨んでいきます。
などがあげられます。
食品を除去しながら生活することは、本人・ご家族にとって、大変負担の大きいことです。少しでも負担を軽減できるようサポートしていきたいと考えています。
当院では2016年に成育医療研究センターが発表し世界的な評価をうけたPETIT Studyにて、成育医療研究センターが指導し、開発された「ミルステップ」や、厚生労働科学研究班とキューピー(株)の共同研究で開発された全国的に医療機関でよく使用されている、「たまこな」といった加熱卵粉末パウダーなどの紹介をしています。
卵料理をするのが苦手な方、時間がない方や、卵が嫌いな子、乳児に簡単に摂取させたい方などにおすすめしています。
空気の通り道である気道が炎症によって腫れたり過敏になっている状態で、何らかの刺激(悪化要因)に暴露されると炎症が強くなり気道がさらに腫れて、喘息発作となり、咳やヒューヒューといった喘鳴、呼吸苦などを呈する疾患です。特に夜間、朝方に症状が増強するのが特徴です。気道は、喘息発作が繰り返されると、炎症が元通りに回復できなくなること(リモデリングと言います)が報告されております。リモデリング状態となると喘息のコントロールが難しくなり、重症化していきます。気管支喘息の治療は、慢性化が進行しないように、しっかり発作をコントロールすることが重要です。
咳とともに息を吐くときにヒューヒュー、ゼーゼーした音がするのが、喘息の特徴です。発作の程度が軽いとヒューヒュー、ゼーゼーしないこともあります。
喘息の咳は、夜間と朝方に特に悪化しやすく眠れなくなり、横になると咳がひどくなって、座っている方が楽になります。せき込み嘔吐が出現することが多く、運動などでも咳込みがひどくなります。
このような症状が繰り返し見られるときは気管支喘息の可能性があるので、早めに受診していただく方が良いでしょう。
しかし、2,3歳までのお子さまはもともと気道が狭いために、風邪を引くことで咳が出現すると似たような症状を起こすことがあります。
喘息かどうかを鑑別するのは難しいですが、これらの症状から気道の炎症があることが推測できるので、適切な治療が必要となります。
気管支喘息は5歳までに80%が発症すると言われています。この時期までの咳の症状には十分に気を付けましょう
気管支喘息発作を引き起こす要因としては、感染(風邪など)、疲労、ストレス、たばこ、ダニやホコリ、気候(気圧変化など)、黄砂などの大気汚染などがあげられます。
これらの悪化要因をなるべく回避するために、規則正しい生活や睡眠、食事などに気をつけることも大切です。
気管支喘息を診断するには、保護者からの問診が大切になります。咳の様子、喘鳴の有無、発作の頻度、アレルギー体質の有無、アレルギーの家族歴などを丁寧に確認します。
当院では以下の検査を気管支喘息の診断の参考としております。
アレルゲン(ダニ、ホコリ、花粉、カビ、ペットなど)に対するIgE抗体の産生を検査することができ、診断の参考になります。
肺の過膨張所見や他の疾患がないかなどを確認します。
マウスピースを使い、息を思いっきり吸った後に吐くことで、気道がどれくらい狭まっているかを評価することができます。通常、いっぱいに吸い込んだ息は1秒で吐き出すことが可能です。しかし、喘息で気道炎症があり、気道が狭くなっていると、1秒以上かかることがあり、気道の状態を評価できます。この検査は小学生以上からは可能な検査です。
小児気管支喘息治療・管理ガイドラインで推奨されている検査です。気道の炎症の程度を実際に数値化して客観的に評価できます。この検査もスパイロメトリー同様に小学生くらいになってから可能となります。ゲーム感覚で数秒という短時間でできる優れた検査で、気道の炎症の有無だけでなく、治療の効果判定にも使用されます。
喘息の治療は、①発作時の症状を抑制する治療 ②発作を予防するための長期管理があります。発作時の症状には気管支拡張剤の吸入や内服などを行いますが、発作には小発作、中発作、大発作と分類があり、程度により治療が異なりますので、きちんと評価して適切な治療を行うことが重要です。
発作時の症状が改善してすぐに治療をやめると、気道の炎症が残存したままとなり、次の発作につながります。気道の炎症をしっかり鎮めて、発作を予防する治療がとても大切です。この治療はお子さまが元気になってから継続する治療のため、ご家族の方の中には、元気なのに必要あるのか?大丈夫か?といった不安や疑問を持たれることがあります。
この長期管理治療は、よく歯磨きに例えられます。虫歯にならないように歯磨きをするのと同じように発作を起こさないように、長期管理薬を使用します。
長期管理薬には吸入ステロイドやロイコトリエン受容体拮抗薬などがあり、年齢や気管支喘息の発作の頻度、症状に応じて、ステップ分類されています。
適切な治療を選択し、気道炎症を評価しながら経過観察します。
治療のゴールは、「治療を中止した後も症状がない状態で日常生活を送ること」としており、目安として治療終了後から5年以上、発作を起こさないことです。
2000年に入り、急速に普及した気管支喘息の画期的な治療です。この吸入ステロイドの普及によって、喘息関連の死亡は激減したといわれており、気道の炎症を抑制する効果が高いことが分かっています。
ステロイド薬の内服や点滴の治療では全身投与となるために、長期になる場合は副作用に注意が必要となります。しかし、吸入ステロイドは噴霧によって、直接気道に届ける局所投与のために副作用を心配する必要はありません。
一つ、吸入ステロイドを使用した後、そのままにすると口腔内にステロイドが残ってしまうため、喉がかすれたり、口腔内にカビが生えることがあるので、必ず使用後にはうがいもしくは飲水をするようにしましょう。
吸入ステロイドで身長の伸びが抑制されるという報告があります。これは、吸入するステロイドが高濃度での使用の場合であり、報告により違いますが、伸びが1-2センチ抑制されると言われています。しかし、成長期の喘息発作のために睡眠の質が低下することによる成長抑制も大きな問題であり、メリットとデメリットを理解したうえでよく話し合い、治療を決めていくことが大切です。
当院では、気管支喘息発作で治療中、喘鳴や呼吸苦などの症状軽減を目的とした気管支拡張剤の吸入が自宅でも必要と判断されたお子さまに吸入器の短期レンタルを行っています。最大で1週間のレンタルが可能です。
レンタル料金は、数日のレンタルでは500円、1週間のレンタルで1000円としています。(保証金として一律1000円預かります)
症状により医師が提案しますが、ご希望の方はご相談ください。
パリボーイは、ドイツ製の高性能吸入器で、小児科でも広く使用されています。喘息や気管支炎、クループ症候群など、子どもの呼吸器疾患に対して薬液を微細な霧状にして効率よく気道に届けます。
短時間で吸入ができ、静かで使いやすいため、ご家庭でも安心して治療を続けられるのが特長です。
血液検査で、免疫反応で産生されたIgE抗体価を測定することで診断の参考にします。
当院ではドロップスクリーンという医療機器を用いて、お子さまの年齢制限なく、成人の方も含めて血液数滴で検査を実施できます。
ドロップスクリーン検査では年齢制限なく検査が可能ですのでお子さま、親御様で希望のある方は相談してください。
鼻水の症状が、風邪の炎症によるものか、アレルギー反応によるものかを鑑別する検査です。鼻を噛めるようになったお子さまが適応になります。痛みなどの侵襲なく簡易に検査できます。