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子どもの泌尿器

見張りいぼ

肛門周囲の皮膚が盛り上がって見える症状で、生後7か月から2歳の女児に多く見られます。便秘や硬い便などで切れ痔が慢性化し、繰り返されることで肛門の裂け目が炎症を起こし、皮膚が盛り上がってきます。比較的短期間で治ることが多いですが、再燃することも多いため、便秘などの改善を図ることも大切です。
見張りいぼは通常、塗り薬で経過を見ます。

おむつかぶれ

おむつかぶれおむつかぶれは、おむつ内の皮膚が尿や便に長時間触れることで炎症を起こし、赤みやただれを生じる皮膚トラブルです。特に乳幼児期は皮膚が薄くデリケートなため、わずかな刺激でも炎症を起こしやすい状態です。また下痢や軟便などの症状がある時に、よく併発します。
原因としては、排泄物に含まれるアンモニアや酵素、湿気による蒸れ、摩擦などが挙げられます。おむつかぶれを予防するには、汚れたらすぐに交換することが重要です。

おむつ交換時は、こすらずにぬるま湯やウェットコットンでやさしく洗浄し、十分に乾かした後にワセリンや亜鉛華軟膏などで保護します。症状が強い場合には、医師の指示のもとでステロイド外用薬や抗真菌外用薬を使用することもあります。

子どもの包茎と包皮亀頭炎

子どもの包茎は、成長とともに自然に包皮が剥けていくケースがほとんどです。多くの場合、特別な治療を必要とせず経過観察で問題ありません。ただし、一部のケースでは治療を要する包茎もあり、適切な判断が求められます。お子さまの包茎に関して不安がある場合は、まずは一度当院までご相談ください。

包茎とは

包茎とは、亀頭が包皮に覆われたままで外に出てこない状態を指します。乳幼児期にはこの状態が一般的で、特に異常というわけではありません。多くの男児は3〜4歳ごろから自然に剥け始め、思春期までに徐々に改善する傾向があります。このような状態は「生理的包茎」と呼ばれ、特別な治療を必要としないことがほとんどです。一方で、年齢が上がってもまったく包皮が剥けず、日常生活に支障が出るような状態は「真性包茎」と呼ばれ、医学的な対応が必要になることがあります。

包茎の原因

包茎の主な原因としては、包皮輪と呼ばれる包皮の先端部分が狭くなっていることが挙げられます。子どもの場合、この包皮輪が成長とともに自然に広がり、包茎が改善されることが多いです。しかし、無理に包皮を剥こうとすると細菌が侵入し、亀頭包皮炎を引き起こす恐れがあります。
このような炎症を繰り返すと、包皮輪がさらに硬くなり、包茎の改善が困難になることがあります。正しい判断と適切な対応が必要ですので、気になる症状があれば泌尿器科など専門の医療機関を受診することをおすすめします。

治療が必要な子どもの包茎

通常の成長過程で自然にむけてくることが多い包皮ですが、以下のような症状がある場合には医療機関での診察が必要です。

  • おしっこをする際に、包皮が大きくふくらんでから排尿される(バルーニング現象)
  • 排尿の回数が多く、1回の量が少ないなどの排尿トラブルがみられる
  • 包皮の先が極端に狭く、めくっても尿道の出口が見えない
  • 亀頭や包皮に赤み・腫れ・痛みを伴う「亀頭包皮炎」を繰り返す
  • 乳児期から小児期にかけて、発熱を伴う尿路感染症を何度も経験している

包茎の治療方法

薬剤を用いた治療

狭くなっている包皮輪に対しては、ステロイド外用薬を塗布しながら包皮をやさしく伸ばす運動を毎日2回、1ヶ月程度続ける方法が取られます。この治療は少量の軟膏で済むため副作用のリスクは少なく、比較的安全に行えるのが特徴です。
ただし、一度剥けたとしても処置を中断すると再び包茎に戻ることがあるため、入浴時に包皮を剥いて洗うなど、清潔を保つ習慣を身につけることが治療効果の維持につながります。

手術療法

外用薬治療で十分な効果が得られなかった場合や、治療後に再発を繰り返すような場合には、手術療法を検討します。真性包茎と診断された場合には、健康保険が適用される環状切除術が選択されます。
当院では必要に応じて近隣の医療機関をご紹介させていただきます。

包皮亀頭炎

包茎が原因だったり、保護者による陰部の洗浄が不十分な洗浄が継続されることで、陰茎の先端部分の亀頭部やそれを包む包皮が赤くなって腫れることがあります。おもに細菌感染で起こり、お子さまはかなり痛がり、排尿を嫌がることがあります。膀胱炎などにつながることがありますので、速やかに受診してください。
包皮亀頭炎の治療は、炎症を確認後に可能な限り排膿して、抗生剤もしくはステロイド外用の治療を行います。幼児期に包皮亀頭炎を繰り返すお子さまの中には包茎が原因となっていることがあります。